告白

「ああ、なんだそんなことか」と思った。
自分で言葉にしておいて簡単なことすぎて笑ってしまった。

わたしが人から好意的に思われるのが恐ろしいのはそれ自体ではなく、そうでなくなるときを思うからだ。
それはもうわかっていたこと。

数人、ほんの数人、価値観とか言葉遣いとか性格とかそんなのじゃ収まりきらない、「あなたの見る世界が好き」という人がいる。
そんな人の見る世界がもしかすると変化しているのかもしれない。いや、当たり前に変化していて、それを或いは怯えながらもひそかに教えてくれたこと。
それに気づいたとき、なにやってんだ〜と笑ってしまった。

そして好きだよと思った。

「見たい面だけ見て面白がってくれたらいいよ」とよく思う。
矛盾している。
わたしは多面体ではなく球なのに。

わたしが愛する人のグラデーションを愛すように、わたしを好む人もそうであるのかもしれない。
かもしれない、なんてこの期に及んでビビっている。

「愛されていい」とかじゃないのか。
他人の勝手で愛しているだけなのか。
愛されることに責任はないのか。

言われてみれば好きな人は好きなかたちであるから好きなわけではない。
好きだから好きだ。

頑固なのでまだ納得はしきれないけれど、笑っちゃうくらい簡単なことだった。