生きて、どうしようもなく生きて、生きていたいとおもうよ。
死を選ぶしか生きられない状況にいた友人に、「死なないで」とは言えなかった。
「あなたがわたしにだけはこう言ってほしくないのはわかっていて、それでもわたしは、あなたに生きていてほしいとおもうよ」
「わたしはきっとあなたが死んだら泣くのだと思う」
「今日、生きていてくれてうれしいよ」
友人にとってこれらの言葉がどう刺さり、体温をどう変化させたのかはわからない。
だけどいまその友人はひょんな衝動で怪しいサイトに飛んでしまった際、住所入力の段階で踏みとどまり、住所バレたくない、バレて死にたくない、なんて焦っていて、「私っていま死にたくないんだ!」とハッとしていて、わたしはたのしくて笑ってしまった。
「私が死ぬまでピンピンしててほしい、私はマラリアとかで死ぬからそれまで待っていてほしい」
らしくって、さてどうしようかなと考えている。
涙が溢れそうになるたび、手が震えるたび、吐く息のひとつひとつが浅くなるたび、自身の呼吸音をひどく気色悪く思うたび、生きていたいのだなと実感する。
正直だからあなたのとまり木にはなれなくて、捻くれ者だから同情もされたくなくて、だから、笑っちゃうくらいうれしいたくましさとか、まばゆいくらいの美しさとか、とろとろした甘いものとか、きっと痛がるくらいのまっすぐな愛だけ立ってわらっていてあげるから、だから、ごめんね。